自然科学系

小島寛之『数学的決断の技術』を読みました。

この本は、私たちが日々遭遇する選択行動の癖を知り、適切な決断の方法を場面によって使い分けるようにできる技術を伝達するいわゆる「ハウツー本」のように見せかけつつ、実は意思決定理論(数学と統計学と経済学と心理学にまたがる学際領域)の標準から最…

雪の結晶は天から送られた手紙である:中谷宇吉郎『雪』

本書は「雪博士」と呼ばれ世界で初めて人工の雪を作ることに成功した科学者の中谷宇吉郎が、一般の読者向けに著者の雪の研究を紹介した本である。圧巻の内容である。今まで読んできた本の中でもダントツに面白い本だった。文がうまいとか難しいことを分かり…

生物学の最前線の議論をわかりやすく紹介してくれる本:池田清彦『進化論の最前線』

進化論の現代的な議論と、IPS細胞や最近話題になっているゲノム編集などについて関心がありました。パラパラとページをめくってみて、それらを両方とも解説している一石二鳥の本だと思い手に取りました。 筆者はテレビでもおなじみの池田清彦氏です。(国際教…

ダーウィン『種の起源(上)』渡辺政隆訳(光文社古典新訳文庫、2009年)

とりあえず上巻を読みました。幸か不幸か生物学に関して全くの素人で、中学生までの知識にとどまっています。(大学で少し生物学関連の講義はとったことがありますが、体系的な知識は皆無です。)そのため知識ゼロの段階から、今日からみた科学的な正確さな…

進化論の展開:佐倉統『進化論の挑戦』

今度ダーウィンの『種の起源』を読むのでその予習として読んでみた。 最初、進化論のその後の学説史的な内容を期待していた。確かにそう読むことも不可能ではないが、扱う範囲が広すぎて系統的な学術書というより雑多な読み物だったというのが読後の正直な感…

人工知能について考える(1):山本一成『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』

今人工知能がたいへん注目されているにも関わらず、漠然とした知識しか持ち合わせておらずいけないなと思ったので、少しずつ考えていきたいと思います。 まず本書のレビューの前に、ほとんど何も知らない現時点で僕の人工知能に対する感じ方を率直に記してお…

添田孝史『東電原発裁判ー福島原発事故の責任を問う』を読みました。

この本は元新聞記者でサイエンスライターの著者が、主に今年(2017年)6月に東京地裁で始まった東電の刑事責任を問う初公判と、同年3月に出た前原地裁判決を取り上げ、東電幹部らの「津波は予見不可能だった」という主張に対して検察側の主張やその他様々な資…