yokoken001’s diary

書評を中心に記しています。

人文学系

野家啓一『歴史を哲学する』を読みました。

本書は、「歴史の物語り論(ナラトロジー)」の立場に立脚した著者の歴史哲学講義である。講義と補講から成るが、以下では講義の部分を簡単に要約しておく。 20世紀の哲学シーンで生じた「言語論的転回」は、哲学上の土俵を自己の意識から公共的な言語へと転換…

山下範久『教養としての世界史の学び方』を読みました。

本書は三部構成となっている。第一部 わたしたちにとっての「世界史」はいかに書かれてきたかでは、19世紀に成立した学問としての歴史学が本来有している枠組みを吟味し、そのバイアスを解除する方法論が議論される。そして第二部 世界史と空間的想像力の問…

金森修『ゴーレムの生命論』を読みました。

『ゴーレムの生命論」は、専門書ではない。しかし、(或いはそれ故に、)本当に面白い本だ。 本当に面白い本を読むと、読書は、著者という<馬の背>に乗って、色々な土地に案内され、見たこともない風景を見せてくれるものだという感じを抱く。ときには、荒々し…

マイケル・サンデル『完全な人間を目指さなくてもよい理由』を読みました。

Michael J. Sandel『The Case against Perfection: Ethics in the Age of Genetic Engineering 』の邦訳です。 きっかけ:エンハンスメントに対して、自分の立場を明確にしたい。 良い点:とても面白い。緻密な論理、慎重な言葉の選択など、優れた議論を展開…